fujinosekaic’s blog 世界史授業備忘録

世界史教員生活30年記念

新学習指導要領と「歴史総合」に向けて


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新学習指導要領と「歴史総合」に向けて

私案:これまでのAL実践例から考えるーそれでも世界史Aのすすめ

【キーワード】歴史総合,アクティブ・ラーニング,新学習指導要領,指導計画,授業案

 

1.これまでのAL実践例から考える

これまでも多くの「改善」案や改訂が示されてきたが、30年の現場経験から大きな危惧と不安が拭い去れない。これまでの研究や研修、優秀と言われる教師の授業見学の経験等から, 現場教師側の問題点の整理と、指導上の課題を明らかにする義務があるのではとの想いから以下に報告と提言する。

 

2.誰がいけないのか?反省と懺悔

これまでの歴史教育は大学入試問題を頂点として構成されているともいえる。しかし、良問と言われる?センター入試の試験問題でさえ、リード文と問題文で約10000字、歴史的用語や年号で300項目、36問を60分以内で解答させている。これではじっくり考えて解答することはできない構造になっている。むしろ考えるのではなく、瞬間判断できないと回答できない事に疑義すら抱く。また、そのためには早押しクイズ王を養成しなければならないという矛盾も存在する。この大学入試問題とその作成者の責任は大きいと思うが、更にそれをビジネスにしてきた予備校産業や 「受験世界史」という特殊な領域作り出してきた結果、3400-3800語という用語過多は歴史を学ぶ楽しさの伝達や思考力育成型授業の導入を阻害してきた。もちろん、現場を無視した非現実的な指導要領が授業時数配分にも無理難題を押し付けてきた結果でもある。

 

3.暗記中心から思考力育成型教育への転換

 いまさらかもしれないが、量的規制も必要という意見から、歴史教科書収録用語と大学入試出題用語の精選をすすめB教科書の収録用語を2000語(1時間の授業で思考力育成型の授業と両立可能な用語数を15語程度とし、B科目の時数約120時間で計算)に限定する試案もある。しかし、この数字も一部の進学校を除いては非現実的ですらあるだろう。更に1クラス40人定員で(クーラーの効きも悪い中)生徒にとっても教員にとっても「修行」のような授業が続くのが予想できる。

 

4.教員側の問題・課題 

以下にそのパターンを簡単に整理すると、

(1)歴史学部ごっこ教師

学力向上や進学指導研究で見学した授業の多くは担当教諭の個人的趣味や関心に左右されていた。更に単なる知識のひけらかしや奇問難問に溢れた授業展開と内容構成である。結果として、大学の歴史学部レベルと思われるような「深い」授業が少なくない。「これが素晴らしいもの! ベストの授業だ!」と刷り込まれれば生徒に反論の余地は無い。知的好奇心を刺激するが「現代史」まで終わらない。後は自分で勝手にやれという訳である。

(2)修行僧型教師:「俺に文句あっか!」

黒板を相手に延々と文字を書き連ね、生徒は黙々とそれを写す。これぞまさに写経の世界。机には100年続くとも思われるノートの転写=COPYに終始する授業展開。生徒の反応や意識など無視。この手の教師は合理的な「指導計画」や「板書計画」など無いからチョークの煙害を撒き散らし、1時間の授業で2枚、3枚と黒板を書き続ける。粉だらけの黒板消しで消し、また書き続け、好きなだけしゃべり続ける。生徒はその黒板を必死に書き写す。言ったところ(行った所)までが試験範囲という場当たり的指導計画。当然年度当初の指導計画は反故にされる。

(3)墓穴的自画自賛教師=(括弧)穴埋めプリント依存授業である。授業時間の効率的運用の中で出てきたのが、プリント学習という単なるスカスカのワークシート学習の連続。限られた時間の有効活用と言えば聞こえも良いが、努力しない教師の典型。最悪なのは自ら編集に関係した出版会社の「問題集」を強制的に購入させていたケース。授業もほぼその答え合わせに終始するばかり。生徒側もその答えの確認にのみ必死になっている矛盾。授業もワンパターン化し、生徒には危機感・緊張感が生まれない。単に括弧穴埋めを淡々とこなし、そこからテスト出題となれば生徒はそれを覚えるだけ。暗記力が勝負になれば、単に時間と範囲の消化と言うのがお互いの共通利害となる。

 

5.カリキュラム×授業(私案)の すゝめ『新学習指導要領』でも生徒の思考力・判断力・表現力を養うために、観察・実験やレポートの作成、論述といった知識・技能を活用する学習活動の必要性が指摘された。資料を解釈して説明したり、記述内容を要約して発表したりする「言語活動の充実」無くしてそれらの育成は有り得ない。「歴史総合」の授業計画を(世界史A+日本史A)構成再配分して÷2で、当日配布する授業計画を配布する。概観は図1=その際には、日本の視点(だって日本の歴史教育ですでもの)も大切にする。以下の点に留意し計画した。

・単なる欧米の横横縦縦(Copy)ではない。

・理想論ではなく実現可能な構成である。

・受け身ではない授業(黙って座って50分×)=禅宗の授業か。瞑想でもしますか?

以下の4項目を指導案の中でも配置した。それは次回に示しませう。