fujinosekaic’s 世界史授業備忘録

世界史教員生活30年記念

QE2祈念2?

■英女王死去 先住民ら差別に声…″歴史的に無視されてきた″
 【シドニートロント=ロイター】英国のエリザベス女王の死去を受けて、カナダやオーストラリアの先住民、カリブ海の旧植民地国の人たちが自分たちの受けた苦痛や差別に声を上げています。

f:id:fujinosekaic:20221003090123j:image 東京の英国大使館前の献花

君主制廃止の主張広がる
 チャールズ国王は植民地主義への反発の高まりのなかで即位しました。反発の背景には、歴史的な残虐行為にますます注目が集まり、先住民の文化や知識に対する認識が深まっていることがあります。
 カリブ海では、奴隷制に対する賠償金の支払いや謝罪を求める声が高まっている国もあります。カナダ先住民の指導者は英王室に対し、一連の歴史的不正義を踏まえて行動するよう求めています。
 オーストラリアは、先住民アボリジニが議会で自分たちについて訴えられるよう踏み出しました。しかし、アボリジニのリディア・ソープ議員は、政府が女王の死去に弔意を示す日を設けると決めたことと、先住民が歴史的に無視されてきたことを対比します。
 「私たちが先住民としてどう感じ、どう扱われてきたのか、改めて思い知らされた。私たちがまるで存在してこなかったようだ」
 豪州とニュージーランド、カナダでの世論調査ではいずれも、女王の死去を契機に君主制をやめるべきだとの主張が広がっています。
 「ニュージーランドでは、先住民マオリが総人口500万人の約7%を占めます。議会にはマオリの議員もおり、マオリ語は公用語とされ、公立学校では英国の植民地支配についても教えています。
その一方、受刑者や公的補助の受給者に占めるマオリの割合は高く、最も貧しい人たちであることに変わりありません。
 マオリ党のヌガレワパッカー共同党首は「植民地支配の否定的側面や影響に今、対処しないなら、いつやるのか」「王や女王、王子|王女になる人たちは、私たち先住民にもたらされた植民地支配の被害に気付いていない」と語ります。
 ニュージーランドのアーダーン首相は、自国が究極的には共和制になると期待すると述べながらも、すぐに実現しないことは間違いないとしています。
 豪州のアルバニージー首相は共和制賛成を公言し、その実現に向けて閣僚を任命しました。しかし、そのためには国民投票が必要」で、同政権が2期目にならないと実施の見通しはありません。

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カナダでの世論調査によると、女王の死去を受けて、主制を廃止すべきだとする国民が半数を占めています。同国の先住民は人口3800万人の5%足らずですが、他の人種と比べ、貧困率や失業率は高く、平均余命は短くなっています。#君主制 #先住民 #ポストコロニアリズム #植民地主義 #同化政策 #人種主義 #レイシズム #ジェンダー差別 #マイクロアグレッション #グローバルヒストリー

https://bit.ly/3qSTgHg奴隷制や搾取問う…カリブ海諸国~″欧州諸国は謝罪・賠償を″
https://bit.ly/3BvcaIR ←英司令官像を撤去…植民地侵略の遺産 、英国の植民地だったニュージーランド(NZ) で12日、先住民マオリとのたたかいで指揮をとった英海軍司令官の銅像が撤去されました。
http://bit.ly/2CE7VwL ←カリブ共同体・共同市場が植民地時代の旧宗主国(イギリス、スペイン、フランス、ポルトガル、オランダ)に公式謝罪と補償を要求へ。
https://goo.gl/sKp8Av ←英キャメロン首相の「未来志向」発言に対し、「最も凶悪な犯罪である奴隷制の生々しい記憶は今も受け継がれており、これをただ忘れ去って、未来に前進することなど出来るだろうか」と、パターソン元ジャマイカ首相。
https://bit.ly/2OplNkq ←カリブ共同体、奴隷貿易で利益の英企業、謝罪だけでは不十分」
https://bit.ly/3Um6bPc ←″植民者の英国女王″ 宣誓やり直し命令…オーストラリア上院がアボリジニの議員に
https://goo.gl/GgSbBt ←現在も王制をとどめるイギリスは我が国同様に封建時代の差別分断的支配の諸制度やマナーが、支配層の高蓄積の道具として温存されてきた。
http://bit.ly/2M7M214 ←今月の「100分de名著」、フランツ・ファノン『黒い皮膚・白い仮面』。差別以前に「上から目線」の本源に迫る。いつもは能弁の伊集院光がしばしば絶句。自己肯定感を束ねて喪失さす支配の仕組み。
http://bit.ly/2XJ9xzZ ←19世紀になるとリプトンやブルック・ボンドなど、新興の企業が登場してくる。トーマス・リプトンは父親の食料品店を手伝いながら、15歳で単身渡米し、20歳のときに帰国して故郷スコットランドグラスゴー1871年、念願の食料品店を開業した。青年実業家として食料品店のチェーン化に成功し、30歳の頃には富豪になり、豊富な資金を活用してセイロンでコーヒー農園を買収して、大規模な紅茶農園を始めた。 もともとセイロンはコーヒー栽培の島だったが、病害虫でコーヒー農園が壊滅的な打撃を受け、コーヒー生産者が連鎖倒産する窮状にあった。リプトンは1890年代、荒れたコーヒー農園を安値で買収して紅茶生産に転換させていった。セイロンを舞台に、紅茶の生産から流通、販売まで一貫したシステムを構築し、紅茶農園やゴム農園を経営するまでになる。 店頭での量り売りが常識であった時代に、リプトンは紅茶販売に新戦略を導入し、あらかじめ計量した紅茶を包装して店頭での販売を始めた。手軽さと清潔感が好評となり、紅茶文化を一般大衆へ急速に普及させる上で大きな役割を演じる。ヴィクトリア女王からナイトの称号を授与され、サー・トーマス・リプトンを名乗るようになったが、これは莫大な資産を王室関連の慈善事業に寄付した功績が認められたからである。生涯独身で財産を相続する家族がいなかいったため、個人資産を慈善事業に寄付したといわれている。(世界史をつくった海賊/竹田いさみ)