インドネシアには何でもある。 首都の高架道路の下には数千人が住む集落があり、そこには人が生活するために必要な水・電気・電話などのインフラまで備わっている。 地元住民を対象にして食堂・ワルテル・美容サロン・ゴミ処理・雑貨売店・礼拝所・ビリヤード場からコスコサンまで多種多様なビジネスが営まれているのは、普通の住宅地区と変わらない。 違っているのはそこがスラムだということだ。 場所によっては駐車場やプラスチックゴミ倉庫・古紙倉庫などの事業すら営まれている。
本当に首都の高架道路の下には「何でもある」。「電気は配線されていて毎月電気代を払ってる。15万ルピアくらいだ。電力は1200ワットもあって普通の家より大きい。水は自分のポンプで5メートルくらい下から汲み上げてる。ここは海から近いから深く掘ると塩水が出るんだ。」 先日ジュンパタンティガ地区で高架下を焼き尽くした火事の被害を免れた住人のひとりファフロジはそう語る 。一般家庭の標準供給電力量は450ワットだから電力メーターなどない高架下の電力事情は豪華だと言える。
かれは高架下の50平米ほどの区画で家族と一緒に2年前から定住をはじめた。 そこには携帯電話バウチャー売店と廃品集積場そして住居が建てられている。 高架下の住居は2階建ても少なくない。土地占有者の経済力次第なのだ。高架道路下集落では住民組織が作られていない。住民はほとんどが地方出身者で、かれらはそれぞれその土地が所属しているRT(隣組)やRW(字)に届け出て居住しているだけ。
北ジャカルタ市プンジャリガンのラワベベッスラタン通りに近い高架下には2x3メーターの仮小屋が並び、一ヶ所に3人が暮らしている。中部ジャワ州スラカルタから上京してきた数十人はそこに暮らして野菜の巡回販売業を営んでいる。家賃はひとり30万ルピアで、手押し車はRTから許可をもらって道端に置いている。駐車代はひと月1万5千ルピア。高架下で騒ぎが起こることはめったにないが保安にはいろいろと気を使っている、と2000年以来の住人のひとりはそう語る。最近も仲間のひとりが「家」の前に停めておいたオートバイを盗まれたそうだ。
しかし早晩、この高架道路下のカンプンは姿を消す運命にある。火事を出して都内環状自動車道に数十億ルピアという損失を引き起こした事件のために、公共事業相はすべての高架道路下カンプンを撤去せよと命じたのだ。当分、首都の高架道路下には何もなくなることになるだろう。
ということでしたが、現状は、、、、
これは昨年歩いたエリアも同じでした。
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