fujinosekaic’s 世界史授業備忘録

世界史教員生活30年記念

終わらない宗教対立や民族紛争

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 終わらない宗教対立や民族紛争と受験エリート

また、とかく歴史は過去の出来事の繰り返しに過ぎないだけに、できるだけ「今」との関係にこだわってみた。現代史はいつも時間切れになるか、受験の選択者だけに教えるってのは駄目では無いだろうか? 特に、終わらない宗教対立や民族紛争(まるで梅宮だが:アンナのパパでは無い方)と世界史の関係を把握してほしいと願うばかりである。 これらの事は普段の授業では進行の関係で取り扱いにくいのも事実であるからこそ、例えば俯瞰的で総合的な視点を模試に盛り込めないだろうか。勿論莫大な暗記量を持つ受験エリートにとっては至極簡単に解答出来る問題かもしれない。多くの上位層の受験者にとってはセンター試験のレベルでは低すぎて時間を持て余しているとも聞く。開始後の15分でほぼ終了という強者もいるという。どれだけ速読のトレーニングをしてきたのかとさえ思うほどだ。そのような彼等を相手にはどんなに問題を工夫しても対応の限界があるばかりか、絶対的多数の受験生の公正な学力測定が出来なくなる。もちろんこの部分に対応するべく教科書に記載されていない用語は解答から排除したり、ありえない選択肢、難易度の高い問題は出題されない。いや大切なのは得点調整の必要のないような平均点だけかも。 いや、これまでのセンター試験はパターン化され、正誤問題や年代順序など出題形式と領域・時代区分は形式が出来ている。ある意味、自動車の運転試験場の学科テストと同じである。要は出題パターンを覚え、用語集と教科書を覚えればいいのである。これを幼少期からトレーニングしてきた受験エリートは難なくこなすだろう。イヤその為の授業をするのが「良い授業」であるという幻想が出来上がってしまった。東京都の指導教諭(主幹教諭と同ランク)には進学校の主任教諭でなければ出願資格がないという。勿論そんなことは明文化もされていない不文律なのだろう。現実の受験シフト対応への努力として否定はしない。

 

しかしそれが理由にされて「実況中継」のコピー的な

授業がやたらと氾濫し過ぎてはいないだろうか?